僕らはゴム製品に囲まれている
医院のHPでラテックスアレルギーの概要を解説しました。
ラテックスアレルギーを持つ人が、果物などの食べ物でも強いアレルギー症状を起こす可能性があり、注意が必要なことをお伝えしました。
食事にも注意が必要ですが、そもそも「天然ゴム」が含まれた製品に触れないことがラテックスアレルギーを持つ方には必須の重要ポイントです。
文献(※)によると想像以上に多彩なものに天然ゴムが含まれており、気がつかないところで湿疹や蕁麻疹、ときにアナフィラキシーの原因になるものに関わっている可能性があります。
【医療現場】
天然ゴム製手袋、駆血帯、カテーテル類、聴診器、シリンジ、エプロンなど【家庭で使用する製品】
ゴム風船、おしゃぶり、炊事用手袋、玩具、コンドーム、工具などのハンドグリップ、スポーツ用品、下着のゴム、輪ゴム、消しゴムなど
(※田尻明彦:ラテックス-フルーツ症候群,MB Derma332:43-49.2023)
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代替品はニトリル手袋など
日常の家庭生活で一番触れる機会が多いゴム製品のひとつがゴム手袋です。
調理やお掃除の際に毎日のように使用する方が多いでしょう。
ラテックスアレルギーの方は天然ゴム製の手袋の代替品を探さなければなりません。
合成ゴムのニトリルゴムにはラテックスは含まれておらず、天然ゴム製の手袋とそん色なく使用することができます。
多くの医療機関でもニトリルゴムの手袋が使用されています。
ニトリル以外の代替品としては、プラスチック製やビニール製の手袋もあります。
これらはコスト的にはニトリルより安価なものもあるようですが、伸縮性や耐久性など使い勝手の面で劣ることもあるようです。
使用頻度や使用目的によって使い分けるのがよいでしょう。
家庭で利用する場合、食品にも問題なく使える表示があるものであればさらに良いと思います。
やがてアナフィラキシーに至ることも
手指に湿疹が生じるけれど塗り薬でなんとかなると考えて、ラテックスアレルギー対策を後回しにするのは得策ではありません。
長期にアレルゲン(ラテックス)に触れ続けることで徐々に症状が深刻化し、激しい湿疹→蕁麻疹→アナフィラキシーショックへと進む可能性があります。
重篤な症状にいたることもあり得ますので、ご注意いただきたいと思います。
※ネット通販で購入した使い捨てニトリル手袋
100枚入り(50回分)で千円少々でした。
一般家庭でも使用可能です。