赤ちゃんの
- 首のしわ
- わきの下
- 左右のまた
- 足首のしわ
などに 赤みやジクジクした「ただれ」
が生じることがあります。
とくに初めての赤ちゃんを授かったお母さんにとっては、すべてがはじめての体験なので、不安がつきません。
このページを読むと、赤ちゃんのスキンケアの基本と、ジクジクした湿疹を見かけたときの対処法が分かります。
新米お母さんの参考になれば幸いです。
赤ちゃんのスキンケア
赤ちゃんのスキンケアの基本は「やさしく丁寧に洗う」です。
もう少し詳しく解説しましょう。
入浴の際のポイントは以下の通り
- 手で洗う
- 泡が出るポンプ式のボディーソープを使う(ネットやスポンジで泡立ててもOK)
- できれば「敏感肌用」、「赤ちゃん用」を選ぶ(特別な薬用成分は不要)
- シワ部分の汗、よだれ、食べこぼしなどのヨゴレを丁寧にやさしく洗う
- その際、ゴシゴシこすらず、泡でなでるように洗う
- シャワーなどでよく洗い流し、汚れや洗剤の成分が残らないようにする
- 柔らかいタオルでやさしく水分をふきとる
- タオルはそっと押し当てるようにして水分をふき取るようにし、ゴシゴシこすらない
- 入浴後、ローションなどの保湿剤、処方された薬をすばやく塗る
日常のケア
- 汗をかいたり、食べこぼしたときは、濡れたタオルやガーゼタオルでよごれた部分をやさしくふき取る
- 赤ちゃんは肌が敏感なうえ、汗が多いので、服装、寝具、室温の設定に気を遣う
- 入浴後以外でも保湿剤を繰り返し塗る(食事前のお口のまわり、おむつ交換時のお尻など)
- ひごろのスキンシップのなかで、肌の状態をよく観察する
皮膚科での対応
わたしの外来では、
症状や経過をチェックし、カンジダなどのカビの感染、雑菌の感染によるトビヒの可能性がないかなどを慎重に考慮した上で診断し、治療します。
多くの場合は「乳児湿疹」なので、弱いステロイドが早期改善には有効です。
ジクジクしている場合、皮膚の保護剤として亜鉛華軟膏(亜鉛華単軟膏)を併用するとうまくいくことが多いです。
ごく弱いステロイドを塗った上から、亜鉛華軟膏を重ね塗りするように指導しています。
湿疹の程度が軽い場合は、ステロイドを使わず亜鉛華軟膏のみとすることもあります。
すぐには皮膚科に行けない場合
皮膚科受診が難しい方は、上記の「赤ちゃんのスキンケア」のやり方を参考にして、これを実践しながら様子をみるのがいいでしょう。
ステロイドの塗り薬は市販もされていますが、自己判断で赤ちゃんの繊細な肌に使うのは、あまり推奨できません。
なぜなら、ステロイド外用剤は、
- カビや雑菌が増えて症状を悪化させる可能性がある
- シワの部分は薬の吸収が良いため、作用も副作用も強く表れる
- そもそも肌が薄い赤ちゃんの皮膚がさらに薄くなる
などのリスクがあるからです。
亜鉛華軟膏でしたら第3類医薬品として市販もされており、ステロイドの副作用はありません。
赤ちゃんの軽い皮膚炎でしたら、亜鉛華軟膏のみの処方で対応することも臨床現場ではよくあります。
皮膚科、もしくは赤ちゃんの肌のトラブルに詳しい小児科を受診するのがベストチョイスです。
それでも、やむを得ず市販薬を使う場合は、ステロイドではなく亜鉛華軟膏を選択する方がリスクが少ないと思います。
新米お母さんへの一言「慌てないで」
来院されるお母さんの中には
「皮膚科でもらったクスリを塗るとよくなるんですけど、また湿疹が出るんです!」
「この子、アレルギーですか?」
と、心配される方がいます。
もちろん、アレルギーの赤ちゃんもときにはいますし、アトピー性皮膚炎の場合もあります。
その場合は経過を慎重に見ながら長期に治療をしていく必要があります。
一方で、ごく軽症の湿疹が出たり、治ったりを繰り返す場合には
「赤ちゃんって、普通に生活していたら、これくらいの湿疹は当たり前に出ますよ」
とアドバイスします。
保湿剤だけで、だいたい症状が落ち着いていて、たまに悪化したときに弱いステロイドを塗るとよくなる赤ちゃんは、成長していく中で湿疹とはあまり縁がなくなっていくはずです。
あせる必要はありません。
まとめ
- 正しい入浴法を実践する
- 日頃から保湿する
- ステロイド使用は医師と相談する
- あわてない、あせらない
以上です。
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