マンガでわかる
円形脱毛症になったら読む本
自分が!?家族が!?もしものための円脱ガイド
小豆だるま/著
斎藤隆三(元東邦大学医学部教授)/解説
特定非営利活動法人円形脱毛症の患者会/編集協力
著者は「小豆だるま」さん。
ご自身が円形脱毛症の患者であり、イラストレーター・マンガ家でもあります。
患者さんが書いた病気の体験談本はいろいろありますが、この本(マンガ)はちょっと違います。
- 「特定非営利活動法人円形脱毛症の患者会」という患者会の編集協力
- 東邦大学医学部の元教授の斎藤隆三先生の解説付き
という形で執筆、編集されており、
- 円形脱毛症がどのような病気なのか
- どのような治療があるのか
- 子どもの円形脱毛症をどうサポートするか
- 著者を含む多くの患者さんの体験談
- ウィッグを上手に活用するポイント
など、円形脱毛症のことをいろいろ知りたい方にとって必要かつ有益な情報が幅広く紹介されています。
この本は
- ご自身や身近な方が円形脱毛症と診断された方
- あやしい商材やサービスの紹介ではなく、正しい知識を得たい方
- 文字だけの味気ない媒体ではなく、イラストやマンガで理解したい方
におすすめです。
第1章
円形脱毛症になっちゃった!?
著者の体験をもとに、円形脱毛症の症状、主な治療が紹介されています。
- 塩化カルプロニウム液(フロジン液)
- 抗アレルギー剤(セファランチン、アレグラ、エバステルなど)
- 外用ステロイド剤(デルモベートなど)
- 冷凍療法(液体窒素による)
- 局所免疫療法
など。
そして、重症化した場合の治療法として
- ステロイド内服
- ステロイド点滴(パルス・入院が必要)
- ステロイド注射(患部への注射)
について述べられています。
重症型である全頭型の円形脱毛症となった著者が受けた、ステロイド注射の様子も描かれています。
文字だけでは分かりにくい治療の内容が、イラスト・マンガで描かれていることで直感的に分かりやすくなっているのが本書のよいところです。
第1章の終わりでは斎藤先生による円形脱毛症の解説があります。
症状の経過や回復率などが数字(パーセントなど)で具体的に示されており、病気に対する漠然とした不安を感じている方には参考になると思います。
第2章
子どもの円形脱毛症
子どもにも発症することがある円形脱毛症。
重症化した場合、成長期の子どもには特に配慮が必要になります。適切な対応をしないと、子どもの自尊心や自己肯定感を損なう恐れがあるのです。
家族として病気にどのように向かい合うか、学校でのサポートをどのように得るかなど、子どもが健やかに育っていくための情報やヒントが紹介されています。
特にウィッグを使っていることを周囲にカミングアウトしていない場合、学校生活で遭遇するいろいろな場面での対処法、考え方は参考になると思います。
第3章
長引いてしまった人たちの体験談「私はこうして超えてきた」
男性2名、女性3名の患者さんの体験がマンガで描かれています。
同じ病気の人が、具体的にどんな困難に遭遇し、どう対応してきたかが分かる内容になっています。
病気による孤独や不安、一歩前進できたときの喜びが、マンガであることで実感としてよく伝わってきます。
第4章
円脱あるかるカバー大作戦
ウィッグをはじめとした円脱(円形脱毛症)をカバーするアイテムを紹介しています。
特にウィッグは品質と価格の兼ね合いから、どのようなものを選ぶか判断が難しいようです。
どのようなウィッグを選ぶのがよいか、またウィッグデビューのポイント、メンテナンス法が紹介されています。
また、
- 風や暑さ
- 海やプール
- 遊園地
- 旅行(飛行機の金属探知機)
- レントゲン・MRI
などへの対策も具体的に描かれています。
章のおわりには、円形脱毛症について
「治さなければいけない、隠さなければいけないものかな?」
という著者自身の疑問、心境の変化を本人のエピソードも交え紹介しています。
人と違うことを認め合い、受け入れる社会になっていくことへの期待感で本書は結ばれています。
巻末には
「特定非営利活動法人円形脱毛症の患者会」
の案内が掲載されています。(https://www.hidorigamo.com/)
【楽天】
マンガでわかる 円形脱毛症になったら読む本 自分が!? 家族が!? もしものための円脱ガイド [ 小豆だるま ]